お前のような初心者がいるか!

第49話 襲撃イベント開催

 煙条Pを見送ったヨハンは自分たちのギルドホームに戻ってきた。ミーティングルームに入ると、先ほどは居なかったゼッカも到着している。

「こんばんは、ヨハンさん!」
「はい、こんばんは」
「ヨハンさん、新メンバーが加入したって本当ですか!? しかもレンマちゃんが、かなりの腕前の生産職だって言ってましたけど?」
「そうね、概ね本当よ」
「え、今なんで目を逸らしたんですか?」

ゼッカのジトっとした視線に耐えながら、円卓の一席に腰掛ける。すると、コンが耳打ちしてきた。

「なぁ魔王はん。仲間にしはったんはあの【変態】やろ? パーティになってくれはるような人、よう見つかったな」

 あの見た目だ。コンは氷のダンジョンを攻略するためのパーティメンバーをどうやって見つけたのか気になっているのだろう。

「汚い手でもつこうたんか?」
「いいえ。むしろ向こうから組んであげると申し出てきたのよ?」
「それ、どんな聖人やねん」

「ハイハイ、注目! みんなこっち見て!」

 と、一人ホワイトボードの前に立っているドナルドが手をパンパン叩く。先ほどから何かを熱心に書いていたのだが、それがようやく終わったようである。

「それじゃ、次のイベントの対策会議を始めるわよ☆」

「次のイベント?」
「……うん。お姉ちゃんが氷のダンジョンに行っている間に、告知があったんだよ」
「なので、私も会議に出席するため、急遽ログインしました!」

 元々ゼッカは、今日は友達と約束があるから無理と言っていたのを思い出す。だがイベント告知が来たという事で、急遽予定を切り上げてログインしたのだ。

「イベント告知……噂のギルド対抗戦ってヤツかしら?」
「それが違うのよ~☆」
「ギルド対抗戦は3週間後や」
「……次のイベントは、ギルドホーム防衛戦だよ」

「ギルドホーム防衛戦……? この城を守るのがイベントってこと?」

ヨハンは首を傾げた。

「その通りよ。それじゃあヨハンちゃんの為に、もう一度イベントの概要を説明するわ」

第一回ギルドホーム防衛戦イベント

【開催期間】
次の月曜日~土曜日まで 合計6日間

モンスターの襲撃から、自分たちのギルドホームを防衛せよ!

○イベント期間中、ギルドホームのバトルエリア最深部にオーブが設置されます。プレイヤーは襲撃してくるモンスターからこのオーブを守り切ってください。

○モンスター襲撃は毎日11:00と20:00の【定期襲撃】と、完全ランダムの【ランダム襲撃】があります。時間は一時間ほど。

○襲撃モンスターを撃破すると、イベントポイントが貯まります。イベント終了後、素材アイテムと交換可能。しかし、襲撃モンスターを倒しても経験値は獲得できません。

○イベント開始と同時に、各職業のギルド防衛用のスキルが解放されます。

〇今回のイベントでは、中継や配信は行いません。

「で、これがうちのホームのバトルエリアね☆」

ドナルドがホワイトボードを指す。先ほど書いていたのはこの図のようだ。見れば、このミーティングルームや個人で割り振った部屋などは襲撃の対象外らしい。図で書かれた部分だけがモンスターの襲撃ルートとなる。

「対象は王座の間、それに王座の間への部屋が三階層分と、庭とロビーなのね」
「そうね。ここでモンスターを待ち構えて、ブチのめすのが今回のイベントの概要ね☆」

ドナルドは指をポキポキならしながらそう言った。物凄く楽しそうである。

「うち、夜の方の襲撃しか出られへんわ」

 コンが手をあげて言った。それにゼッカも続く。

「私も。最終土曜日はともかく、平日は夜も厳しい日がありますね」
「ま、ワタシも昼は無理ねぇ……」
「……ボクはどっちも大丈夫だけど、ボクだけで守り切れるとは思えないな」

「わ、私は平日は全部無理かも……」

 最後に夜8時に帰宅できたのは一体いつだっただろうか。そんな事を思いながらヨハンはためいきをついた。下手したら土曜の最終襲撃のみの参加だってあり得る。運良く夜にランダム襲撃があればいいのだが。

「まぁ基本夜以外は無理よね。そこで、ヨハンちゃんとコンちゃんが集めてくれた召喚獣達の出番って訳よ☆」
「そ、その手があった!」

 ドナルドの発言に皆顔を明るくした。最大500体のモンスターを設置出来るこの暗黒の城ならば、誰も居ない時間帯に襲撃があったとしても守り切れるだろう。

「……庭に階層ボスを設置しておくだけで楽勝そう」
「せっかくやし、雑魚達も戦わせてあげたいな」
「じゃあやっぱり各部屋にボスを配置して……」
「問題は指示なしの召喚獣がどこまでやれるかや」
「ああ、召喚獣たちが城を守っているところ、見たいわ」
「……大丈夫だよお姉ちゃん。ボク、録画機材持ってるから。適当に録画して、見せてあげる」
「本当!? ありがとうレンマちゃん! 大好きよ!」
「……えへへ」

と、みんなであれこれ話し込む。そして。

イベント前日の日曜日は全員集合し、防衛召喚獣の設置と、イベント中、どの時間帯に出られるかの確認をすることを決め、この日は解散となった。

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第50話 イベント準備

「ギャアアアアアアアアア☆!?」  イベント前日。ヨハン達のギルドホームにドナルドの野太い悲鳴が響く。何事かと集まったギルドメンバーに振り返るドナルドは、怒りで目を釣り上げていた。 「ちょっとちょっと ...

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瀧岡くるじ

台東区在住の社畜兼業作家。 小学生の頃にデジモン、遊戯王にハマり大きな影響を受ける。中学時代は非オタとして過ごしてきたが高2でラノベを知り今ではフィギュアに憑りつかれたオタク。 大学卒業後はサラリーマンとして生きてきたがコロナで仕事が暇になったのをきっかけに小説家になろうにて連載開始。 2021年にカドカワBOOKSより『お前のような初心者がいるか!』を出版し作家デビュー。 嫌いなものは会社と通勤。 更新情報や購入物を日々ツイッターで呟いております。

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